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「リモートワークを選ぶ理由ランキング」「リモートワークの5つの誤解」を発表。出社ゼロ・1400人フルリモートワーク企業が調査。
2014年の創業より、メンバー全員(1400人、2022年5月末時点)がフルリモートワークで働く株式会社キャスター(本社:宮崎県西都市、代表取締役 中川祥太、以下キャスター)は、自社で働くメンバーを対象に「リモートワークと働き方に関する意識調査」(有効回答数442名)を実施したところ、世間でのリモートワークのイメージとは異なる興味深い考察を得ることができました。
1. 「家事・育児・介護との両立」でリモートワークを選ぶ人は少数。
2. 「リモート」と「フルリモート」は似て非なるもの。出社ゼロの重要性。
3. フルリモートワーク歴8年の当社でも、ワーケーション経験者は2割未満。
4. 移住したいエリア1位は「地方」ではなく「関東圏」。地方ブームの誤解。
5. オンライン会議の「画面オフ」推奨にメリットが。
上記について、調査結果とともに公開いたします。
※調査結果の詳細は こちら をご参照ください。
■リモートワーク需要増の現状。1ヶ月に3000名以上からの応募も。
総務省の発表(※1)によると、2021年8月時点での国内企業のリモートワーク導入率は51.9%。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年9月時点では20.2%だったことから、コロナ禍によるリモートワークの広がりが顕著に表れました。さらに、ビズリーチ調べ(※2)によると、ビジネスパーソンの95.5%が「今後もリモートワークを継続したい」、84.7%が「完全リモートワークであれば会社の所在地に関わらず、転職を検討する」と回答。働き手のリモートワークへの需要の高さがうかがえます。
実際に、フルリモート経営をするキャスターへの応募数も右肩上がりで伸びており、2022年4月には3000名以上から応募いただきました。また、社内で実施した「リモートワークと働き方に関する意識調査」でも、入社理由として「リモートワークをしたかったから」が最も多い回答結果(72.2%)となりました。
※1 総務省 令和3年通信利用動向調査
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000158.html
令和元年通信利用動向調査
https://www.soumu.go.jp/main_content/000689454.pdf
※2 ビズリーチ調べ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000374.000034075.html
■「リモートワークを選ぶ理由」ランキング
リモートワークを選択した理由については、以下のような結果が出ました。
1位 通勤や移動時間を減らしたい 52.9%
2位 家族との時間を増やしたい 46.2%
3位 リモートワークに興味があった、挑戦してみたかった 33.9%
4位 居住地付近に希望する求人がなかった 21.9%
5位 コロナ感染への不安・対策として 17.8%
6位 家族の転勤のため 13.7%
7位 移住のため 11.8%
8位 自身が転勤のない仕事を探していた 11.3%
9位 ワーケーションをするため 7.7%
10位 家事・育児・介護との両立 7.0%
11位 自身の体調・健康管理のため 3.6%
12位 他の仕事や学業との両立 1.0%
この度の調査結果をふまえ、リモートワークに対する5つの誤解について取締役CRO(Chief Remote work Officer)・石倉秀明のコメントを記載いたします。
■リモートワークの誤解1:「家事・育児・介護との両立」でリモートワークを選ぶ人は少数。
石倉:リモートワークを選択した理由で「家事・育児・介護との両立」の回答は7.0%に留まりました。世間のリモートワークに対するイメージとして「家事や育児を両立する」ためというものがありますが、それよりも「通勤や移動時間を減らし」「家族との時間を増やす」ことを実現したいという回答が1位、2位になりました。
3位は「リモートワークに興味があった、挑戦したかった」、4位は「居住地付近に希望する求人がなかった」となっており、コロナ禍でリモートワークの認知が広がったことで、リモートワークにチャレンジしたり、地方であっても希望の仕事をする手段としてリモートワークを選択する人が増えてきていることが分かります。
また、「コロナ感染への不安・対策として」が5位に入っており、感染リスクを抑え、安心して働くためにリモートワークを選ぶ人が増えてきている事実もうかがえます。
多くの働き手にとって「リモートワーク」が当たり前の選択肢になりつつあり、リモートワークができないというだけで優秀な人材を確保する上で不利になる可能性が高くなっているとも言えます。
■リモートワークの誤解2:「リモート」と「フルリモート」は似て非なるもの。出社ゼロの有効性。
石倉:コロナ禍でリモートワークは加速しましたが、出社が1日でもある「リモート」と、出社がゼロの「フルリモート」は似て非なるものです。キャスターでは、研修や全社総会などもすべてオンラインで実施し、メンバーがオフラインで集まる場は会社としては設けていません。メンバーからも、実際に入社してみて「“本当に”出社しないんだ」「メンバーに1度も会ったことがない」と驚かれるほどです。しかし、だからこそ、居住地に関わらず優秀な人材を採用することができ、現在47都道府県23ヶ国で1400人以上が働いています。入社理由において「リモートワークでないと働けない」と21.9%が回答(図表1)していることからも、出社が1日でも発生すれば働けなかった人がかなりの数存在するということです。リモートワークを選ぶ理由の詳細は、「パートナーが転勤族で、その度に仕事を変えざるを得ずキャリアアップが難しかった」「ハウスダストアレルギーで、エアコンがフル稼働するオフィスが辛い」「地方在住で、業務内容・賃金ともに希望する求人がなかった」「ペットと一緒にいたい」「将来、地元に戻る選択肢もほしい」など多岐にわたります。
■リモートワークの誤解3:ワーケーションの経験者・実践者はまだまだ少ない。
石倉:昨今、柔軟な働き方として注目されるワーケーションですが、本調査ではワーケーションを理由に入社した人はわずか7.7%(図表2)でした。また、「これまでにワーケーションをしたことはありますか?」という質問への回答も、フルリモートワーク歴8年の当社でも経験者は2割未満という結果(図表4)に。
世間では、「好きな場所で働けるから、旅行しながら…」というイメージもありますが、リモートワークだからといって仕事量が減るわけでもラクになるわけでもありません。現実的には、金銭的な問題や、セキュリティ面で安全なWi-Fiや業務に適したデスク、椅子などの環境がない場所も多く、旅先で仕事をするのは容易ではありません。
また、「好きな場所でワーケーションができるとしたらどこを選びますか?(※予算が十分あると仮定)」という質問に対する、16.1%が「ワーケーションはしない」という回答(図表5)から、旅行は好きだが、旅行先でまで仕事をしたくないという人も少なくないのではないかと思います。「リモートワーク=リゾートで悠々自適に仕事をする」などのイメージと現実は違いそうです。
■リモートワークの誤解4:移住したいエリア1位は「地方」でなく「関東圏」。リモートワーク=地方移住ブームの誤解。
石倉:どこでも仕事ができるリモートワークは、「地方移住」の可能性とともに語られることも多いですが、本調査では異なる結果となりました。「どこでも好きな場所に移住・引越しができるとしたら、どこを選びますか?(※移住予算が十分あると仮定して考えてみてください)」という質問に対しては、「関東エリア」が27.6%と最も多い結果に(図表6)。社内にはUターンやIターンをして働いているメンバーもいますが、一概に「リモートワーク=地方移住ブームが来る」とは言えなさそうです。
どこでも仕事ができるといっても、現実的にお子さんの学校や友人たちとの付き合い、余暇を過ごすことを考えると、都心やその近郊に住む選択をする人は少なくないでしょう。
とはいえ、リモートワークを始めてから約半数(50.5%)が移住や引越しを考えたことがあると回答(図表7)しています。アンケート結果では沖縄なども人気ですが、「便利な関東圏に住みながら、通勤をしないのが理想」と考える人が多いのかもしれません。
■リモートワークの誤解5:オンライン会議の「画面オフOK」推奨にメリットが。
石倉:オンライン会議の際に、画面をオンにするかオフにするかというのは議論が分かれるかと思います。本調査では、「周りのリモートワーカーと比べて、“珍しいと言われる” “キャスターならではだと思う”働き方」に、「オンライン会議中、カメラオフで良い」という回答が複数挙がりました。キャスターでは、服装やメイクなどに必要以上に気を遣わなくていいといったメリットや家の中が映ることへの抵抗感の払拭などを理由に、オンライン会議はカメラオフで実施することを推奨してきました。
また、キャスターでは、そもそもオンライン会議を減らすことにも注力しています。世間では「リモートワーク=オンライン会議」になって1日中オンライン会議ばかりしている人も多いかと思いますが、リモートワークの本質は、非同期でテキスト(チャット)でコミュニケーションを行うことです。その結果、事業推進のスピードが上がったり、業務に必要な情報にアクセスしやすくなり、オフラインとは比べ物にならない生産性を実現していくのがリモートワークだと考えています。
さらに、「リモートワークだとコミュニケーションが減る」という相談をいただくことも多いですが、これもオンライン会議を減らすことが第一歩です。
メンバーそれぞれが1日中オンライン会議をしているということは、1日中オフィスの会議室にこもっているのと同じ。それではコミュニケーションが活性化されるはずはありません。チャットを連絡ツールではなく、バーチャルオフィス空間ととらえ、チャットでいかに業務を進めていけるかが重要になります。
「リモートワーク環境に関する意識調査」「ワーケーションに関する意識調査」「移住に関する意識調査」の結果をまとめています。ぜひ下記URLよりご参照ください。
https://caster.co.jp/6233
<調査概要>
・調査名 :リモートワークに関する意識調査
・調査対象 :キャスターで働く国内外のメンバー(業務委託を含む)
・調査時期 :2022年3月24日〜4月8日
・調査方法 :インターネット調査Webアンケート
・有効回答数 :442名